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最終更新日2026年9月23日
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会長・防災担当・班長向け

自治会の災害時要支援者名簿はどう扱う?避難行動要支援者・個人情報・平常時共有

「市役所から災害時の名簿を渡されたけど、 誰まで見ていい?」

「高齢者や障害のある人を自治会で独自にリスト化していい?」

災害時に支援が必要な住民の情報は、 避難支援に役立つ一方、 非常に慎重な管理が必要な個人情報でもあります。

まず結論
自治体から提供された名簿は、提供条件と自治体のルールに従って管理します 誰へ共有するか、 何のために使うか、 どこへ保管するか、 更新・返却・廃棄をどうするかまで確認します。 自治会が独自名簿を作る場合も、必要以上の情報を集めないことが重要です。
STEP 01 受け取る 自治体の提供条件・協定等を確認。
STEP 02 守る 閲覧者・保管場所を限定。
STEP 03 備える 支援方法・連絡方法を確認。
STEP 04 使う 災害時の避難支援・安否確認へ。

「避難行動要支援者名簿」とは?

災害時に、 自分だけで避難することが難しく、 避難のために特に支援を必要とする人を把握するために、 市町村が作成する名簿です。

対象になる人の基準は自治体によって異なりますが、 たとえば、

  • 要介護状態の高齢者
  • 障害のある人
  • 一人暮らしで避難支援が必要な人
  • その他、市町村が支援を必要と判断する人

などが含まれる場合があります。

自治会が「支援が必要そうな人」を勝手に公式名簿へ追加する仕組みではありません 法令上の避難行動要支援者名簿は市町村が作成します。 自治会が独自に作る防災名簿とは分けて考えてください。

自治会へ名簿が渡されることはある?

あります。

避難支援に携わる関係者として、 自治会・町内会や自主防災組織へ 名簿情報が提供される制度を設けている自治体があります。

ただし、 提供方法や対象は自治体によって異なります。

自治体によっては、 本人が情報提供へ同意した人だけを対象とする方法や、 条例等に基づいて情報を提供する方法などがあります。

名簿を把握する3つの方法

LOCAL RULE EXAMPLE 自治体によって仕組みが違う
手上げ方式
本人から「支援が必要」と申し出てもらい、自治会等が把握する方法。
同意方式
自治体が対象者へ確認し、平常時から地域へ情報提供することに同意した人の情報を提供する方法。
情報共有方式
条例など自治体の制度に基づいて、必要な範囲で地域の支援関係者へ情報提供する方法。

これは全国一律に名称・方法が同じという意味ではありません。

自治体から名簿提供を受ける場合は、 市区町村の制度説明を確認してください。

名簿にはどんな情報が入る?

避難行動要支援者名簿には、 法律で定められた事項や、 市町村が避難支援に必要と認める事項が記載されます。

具体的な内容は自治体によりますが、

  • 氏名
  • 生年月日
  • 性別
  • 住所・居所
  • 電話番号などの連絡先
  • 避難支援が必要となる理由

などが含まれることがあります。

通常の自治会名簿より慎重な情報が含まれることがあります 障害、 疾病、 介護状態など、 他人へ広く知られることを本人が望まない情報が含まれる場合があります。

平常時から自治会で共有していい?

自治体から提供された名簿については、 その自治体の制度・提供条件に従います。

平常時の提供は、 本人同意を基本とする制度がありますが、 条例で特別な定めを設けている自治体もあります。

そのため、

確認して共有
  • 市区町村の提供ルールを見る
  • 協定・誓約書等を確認する
  • 閲覧できる役員を決める
  • 避難支援目的だけで使う
  • 保管方法を決める
避けたい扱い
  • 全役員へコピーを配る
  • 回覧板へ載せる
  • 一般会員へ配布する
  • 私的な連絡に使う
  • 家族や知人へ話す

名簿を受け取ったら最初にすること

STEP 1
自治体の説明資料を確認する 利用目的、提供対象、保管方法、更新・返却方法を確認します。
STEP 2
管理責任者を決める 会長、防災担当など、誰が管理するか明確にします。
STEP 3
閲覧できる人を決める 必要な防災担当者・支援関係者などへ限定します。
STEP 4
保管場所を決める 紙・データそれぞれについて、安全な保管方法を決めます。
STEP 5
災害時の使い方を決める 誰が安否確認し、誰が避難支援へ向かうのかを検討します。
STEP 6
更新方法を確認する 転居、死亡、要介護状態の変化など、最新状態をどう反映するか確認します。

名簿は誰が持つ?

自治体の提供条件を最優先します。

そのうえで、 必要以上にコピーを増やさない運用が重要です。

01 管理者を決める 誰が原本を保管するか明確に。
02 閲覧者を限定 支援に必要な役員だけが確認。
03 コピーを管理 何部存在するか把握。
04 持ち出しを管理 防災訓練等で使った後は戻す。
05 データを保護 誰でも見られる共有フォルダへ置かない。
06 古い名簿を処理 更新時は自治体の指示に従って返却・廃棄等。

自宅に保管していい?

自治会館がなく、 会長や防災担当者の自宅で保管する自治会もあります。

その場合も、 机の上へ置いたり、 家族が自由に見られる場所へ保管したりせず、 施錠できる場所などを検討します。

「会長の家だから安全」とは限りません 家族、 来客、 紛失、 盗難なども想定して保管方法を決めます。

スマホで写真を撮って共有していい?

自治体の提供ルールを確認してください。

名簿をスマートフォンで撮影すると、

  • 写真アプリ
  • クラウドバックアップ
  • 家族共有
  • 端末紛失

などを通じて、 想定外の場所へデータが保存される可能性があります。

個人LINEグループへ名簿写真を流す運用は特に慎重に 自治体から提供された名簿については、 決められた管理方法以外で複製・共有しないようにします。

自治会独自の「防災名簿」を作ってもいい?

自治会が、 災害時連絡などのために 独自の防災名簿を作る場合があります。

この場合、 自治体が災害対策基本法に基づいて作成する 「避難行動要支援者名簿」とは別物です。

独自名簿を作るなら、

  • 何のために作るのか
  • どんな情報が本当に必要か
  • 誰が見るのか
  • いつまで保管するのか
  • 本人へどう説明するか

を先に決めます。

「念のため」で情報を増やさない 避難支援に不要な病歴や家族情報まで集めるのではなく、 目的達成に必要な範囲へ絞ります。

避難行動要支援者名簿と個別避難計画の違い

個別
避難計画
「誰が支援を必要としているか」から「どう避難するか」へ

避難行動要支援者名簿は、 支援が必要な人を把握するための名簿です。

個別避難計画は、 その人について、 避難先、 避難支援者、 必要な配慮などを具体的に整理する計画です。

2021年の災害対策基本法改正により、 市町村が個別避難計画の作成に努めることが制度化されています。

自治会や自主防災組織が、 本人・家族・福祉関係者・自治体などと連携して 作成へ関わる場合があります。

「自治会が必ず助けます」と約束していい?

避難支援の仕組みを作ることは重要ですが、 災害時には支援する側も被災します。

そのため、 特定の役員個人へ 「必ずこの人を迎えに行く責任がある」 という形で過度な責任を負わせないようにします。

名簿登録=必ず救助してもらえる保証ではありません 本人自身の備え、 家族、 近隣住民、 自治会、 福祉関係者、 行政などを組み合わせた支援体制を考えます。

防災訓練で名簿を使う

名簿は金庫へ入れておくだけでは、 災害時に使えない可能性があります。

自治体のルールで認められる範囲で、

  • 安否確認の担当区域
  • 連絡順
  • 避難支援者
  • 避難場所
  • 支援時の注意点

などを訓練時に確認します。

ただし、 訓練参加者全員へ要支援者の詳細情報を配布する必要があるとは限りません。

災害が起きたらどう使う?

DISASTER RESPONSE 名簿を「見るだけ」で終わらせない
1
自分と家族の安全を確保 支援者自身の安全を最優先します。
2
自治会の支援体制を立ち上げる 防災担当や班ごとの担当を確認します。
3
要支援者の状況を確認 決めていた方法で安否確認・連絡を行います。
4
可能な範囲で避難支援 無理な救助をせず、必要に応じて消防・行政等へつなぎます。
5
支援結果を共有 未確認者や追加支援が必要な人を整理します。

災害時なら個人情報を誰にでも渡していい?

いいえ。

災害時には、 生命・身体を守るために 平常時とは異なる情報提供が認められる場面がありますが、 だからといって名簿全体を不特定多数へ公開してよいわけではありません。

避難支援、 安否確認、 救助など、 必要な目的と相手に応じて情報を扱います。

名簿を紛失したら?

紙の名簿、 USBメモリ、 スマートフォンなどを紛失した場合は、 放置しません。

  1. 何を紛失したか確認
  2. どんな情報が入っていたか確認
  3. 自治会長・管理責任者へ報告
  4. 提供元の自治体へ連絡が必要か確認
  5. 捜索・回収を行う
  6. 必要な対応を自治体の指示に従って行う
  7. 再発防止策を決める
名簿紛失を自治会内だけで隠さない 自治体から提供を受けた名簿の場合は、 提供元への報告が必要になる可能性があります。 提供時のルールを確認してください。

役員交代時はどうする?

防災担当や会長が交代するときは、 名簿そのものだけでなく、 管理状況も引き継ぎます。

  • 最新版はどれか
  • 原本はどこにあるか
  • コピーは何部あるか
  • 誰が持っているか
  • データ保存先
  • 自治体との協定・誓約内容
  • 次回更新時期

まで確認します。

前任役員の手元へコピーを残さない 役員交代後に不要になった名簿・データは、 自治体のルールに従って返却・削除・廃棄します。

避難行動要支援者名簿チェックリスト

DISASTER LIST CHECK 受け取りから更新まで12項目
□
自治体の提供ルールを確認した 利用・保管・返却等の条件を見る。
□
管理責任者を決めた 誰が名簿を管理するか明確に。
□
閲覧できる役員を決めた 必要な人だけに限定。
□
保管場所を決めた 紙・データ両方を確認。
□
コピー数を把握している 勝手な複製を防ぐ。
□
利用目的を共有した 避難支援・安否確認等に限定。
□
災害時の担当を決めた 誰が誰を確認するか整理。
□
防災訓練で運用を確認した 実際に動ける仕組みにする。
□
更新方法を確認した 最新版を使えるように。
□
役員交代時の引き継ぎ方法がある 前任者の手元に残さない。
□
紛失時の連絡先を確認した 自治体への連絡要否を把握。
□
不要な情報を集めていない 独自名簿は必要最小限に。

よくある質問

自治会で高齢者だけの名簿を勝手に作っていいですか?

自治会独自の名簿を作る場合は、何のために必要なのかを明確にし、本人への説明や個人情報の取扱いを確認してください。 市町村が災害対策基本法に基づいて作る避難行動要支援者名簿とは別の名簿です。

市役所からもらった名簿を班長全員へコピーしていいですか?

提供した自治体のルールに従ってください。 必要な支援関係者へどこまで共有できるか、コピーの可否や管理方法を確認してから扱います。

名簿に載っていることを近所の人へ教えてもいいですか?

支援目的だからといって、不必要に周囲へ伝えることは避けます。 避難支援に必要な人・必要な範囲で情報を扱い、秘密保持を徹底してください。

本人の同意がなくても自治会へ名簿が渡されることがありますか?

自治体の条例に特別な定めがある場合など、平常時提供の扱いが異なることがあります。 自分の地域の制度を市区町村へ確認してください。

避難行動要支援者名簿と個別避難計画は同じですか?

同じではありません。 名簿は支援が必要な人を把握するためのもの、個別避難計画はその人がどこへ・誰の支援で・どのように避難するかを具体化するための計画です。

名簿に載れば自治会が必ず助けてくれますか?

災害時は自治会役員や支援者自身も被災する可能性があります。 登録によって必ず救助・避難支援が受けられることを保証するものではありません。 本人・家族による備えも重要です。

まとめ

自治会で避難行動要支援者名簿を扱うときは、 「防災だから自由に共有していい名簿」ではない ことを最初に確認してください。

基本は、

  1. 自治体の提供条件を確認する
  2. 管理責任者を決める
  3. 閲覧者を必要な人に限定する
  4. 安全な場所へ保管する
  5. 避難支援の方法を決める
  6. 訓練で使い方を確認する
  7. 常に最新版を使う
  8. 役員交代時に確実に引き継ぐ
  9. 不要なコピー・データを残さない

という流れです。

名簿を持つこと自体ではなく、 災害時に必要な人を安全に支援できる体制へつなげること が目的です。

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内閣府が公開している避難行動要支援者名簿・個別避難計画に関する制度資料、 防災分野における個人情報取扱指針、 自治体が公開している自治会・自主防災組織向けの名簿提供資料を確認して構成しています。

避難行動要支援者名簿の対象者、 平常時の提供方法、 協定、 保管、 更新、 返却等は市区町村ごとに異なります。 実際に名簿提供を受けた自治会は、 提供元自治体の最新ルールを最優先してください。