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最終更新日2026年10月1日
最終確認日2026年9月27日
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雑草・庭木・害虫・越境・管理不全
空き家・空き地の雑草や越境枝は「所有者が分からない」で終わらせない

「隣の空き地から伸びた草が、こちらの敷地まで入り込んできている」 「庭木の枝が、こちらの敷地や道路側まで伸びてきている」 「所有者が分からず、誰へ連絡すればいいのか分からない」。

自治会へこうした相談が来た場合は、 現地確認、所有者調査、連絡、再通知までを 順番に整理して進めます。

このページでは一般的な相談先だけでなく、 筆者が実際に 所有者が分からない土地を法務局で調べ、 所有者へ郵送で連絡し、 越境した植栽への対応まで進めた経験 をもとに整理します。

先に結論:まず「場所・所有者・現地記録」を整理する 管理されていないように見えても、 私有地には所有者がいます。 まず越境状況を写真で残し、 所有者が分かれば連絡します。 所有者が分からない場合は、 法務局で土地の地番や登記を確認し、 登記上の所有者を調べる方法があります。
実際に私が対応したケース 放置された土地の草・植栽が隣地側まで越境していた事例

私が実際に対応した土地では、 長い間手入れされていない土地に草や植栽が伸び続け、 こちらの敷地まで入り込んできていました。

最初は近隣住宅へ聞き込みをしましたが、 土地所有者も土地の地番も分かりませんでした。

1 近隣へ確認 所有者や以前の管理者を知っている人がいないか確認しました。
2 法務局で公図確認 対象土地の位置を確認し、地番を調べました。
3 登記を取得 地番を使って土地の登記事項証明書等を取得しました。
4 所有者へ連絡 登記上の住所を確認し、訪問または郵送で連絡しました。

私の場合は初めての手続きでしたが、 法務局の窓口で 「この場所の土地所有者を確認したい」 と相談すると、 公図の見方や申請方法を丁寧に教えてもらえました。

宅地建物取引士や不動産管理会社でなければ 登記を取得できないというものではありません。 所定の手数料を支払えば、 一般の人でも登記事項証明書等を請求できます。

空き家・空き地 現場カルテ 場所と困りごとを選ぶと、次に確認したい相手や窓口を整理します
① どんな場所ですか?
② 何に困っていますか?
まず確認したいところ 所有者・管理者または所在地の自治体

所有者・管理者が分かれば現状を伝えます。不明な場合は所在地の自治体への相談や、必要に応じて登記から所有者を確認します。

自治会に相談が来たとき最初に確認すること

1
対象の土地を特定して写真を残す どの土地から草や枝が伸びてきているのかを確認します。 越境している場所、 境界付近、 草や枝の状態が分かる写真を残しておくと、 所有者へ説明するときにも役立ちます。
2
何に困っているのか具体的にする 「管理が悪い」ではなく、 「隣地から草がこちらまで入り込んできている」 「枝がこちらの敷地まで伸びてきている」 など、 現在起きている事実を整理します。
3
緊急性を確認する 単に草が伸びている状態と、 建物や塀が倒れそうな状態、 道路の通行に支障が出ている状態では 対応の優先度が異なります。
4
所有者・管理者が分かるか確認する 近隣住民へ聞くことで 所有者が分かる場合もあります。 分からなければ、 自治体への相談や 法務局で土地の登記を確認する方法へ進みます。

所有者が分からないとき、私は法務局で調べました

実際に私が対応したケースでは、 近隣へ聞き込みをしても 土地所有者が分かりませんでした。

また、 普段使っている住所だけでは 対象土地の地番も分かりませんでした。

そこで法務局の窓口へ行き、 まず公図などから対象となる土地の位置を確認して 地番を調べました。

その地番を使って 土地の登記事項証明書等を取得することで、 登記上の所有者氏名と住所を確認できました。

「住所」と「地番」は同じとは限りません 普段使っている住居表示と、 土地登記で使われる地番が異なる場合があります。 私の場合も、 現地の場所は分かっていても地番が分からなかったため、 法務局で公図から確認しました。

2026年9月現在の窓口手数料

法務局の窓口で書面請求する場合、 2026年9月現在の手数料は次のとおりです。

  • 登記事項証明書:1通600円
  • 地図等証明書(公図など):1件500円

私が実際に手続きをした際も、 窓口で必要な手数料分の収入印紙を購入し、 申請書に貼って提出しました。

オンライン請求を利用する場合は、 登記事項証明書の手数料が窓口書面請求より安くなる方法もあります。

法務局での所有者確認はこちらで詳しく整理 公図から地番を確認する流れ、 登記事項証明書の請求、 登記上の所有者を確認する方法は 別の記事で詳しく解説しています。

空き家・空き地の所有者を法務局で調べる方法 →

登記事項証明書には電話番号は載っていませんでした

私が取得した登記事項証明書には、 所有者の氏名と住所は記載されていましたが、 電話番号は記載されていませんでした。

そのため、 所有者の住所が近ければ訪問し、 遠方であれば郵送で連絡していました。

放置されている土地の場合、 所有者が同じ地域に住んでいるとは限りません。 実際に他県など遠方の住所だったこともありました。

郵送は3段階で記録を残しました

郵送するときは、 現地写真を添えて 所有者が現地へ行かなくても 状況をある程度確認できるようにしていました。

私が実際に行っていた流れは次の3段階です。

1回目 剪定のお願いと、まずは連絡をお願いする 現地写真を添えて、 植栽がこちらの敷地まで越境している状況を伝えました。 私の場合は、 おおむね2週間程度を目安に剪定していただきたいこと と、 今後の対応を確認するため まずは一度連絡をいただきたいこと を文章に記載して送りました。
2回目 連絡がなければ期限を示して再通知する 1回目の通知後も 連絡や対応が確認できなければ、 もう一度文書を送りました。 私の場合は、 2回目では おおむね3週間程度の期間 を設け、 「○月○日までにご連絡または対応がなければ、 条件を確認したうえで越境部分をこちらで剪定する場合があります」 という内容を伝えていました。
3回目 剪定後は作業報告と写真を送る 越境部分を剪定した場合は、 作業日、 実際に行った内容を記載し、 剪定後の写真も添えて 所有者へ報告しました。
2週間・3週間は、このページで一律に決める期限ではありません 2週間・3週間という期間は、 筆者が実際の対応で使っていた目安です。 なお、 民法233条に関する法務省の説明では、 越境した枝の切除を所有者へ催告した場合の 「相当の期間」について、 事案によりますが 基本的には2週間程度 とされています。 実際に自分で越境枝を切る場合は、 民法233条の条件を満たしているか確認してください。

なぜ特定記録郵便を使ったのか

私は、 所有者へ送った文書について 「いつ発送したのか」を後から確認できるようにするため、 郵便局の 特定記録郵便 を利用していました。

書留郵便は 引受けから配達までの送達過程をより詳しく記録できますが、 その分料金も高くなります。

今回のようなお願い文では、 私は 「差し出した記録を残し、 配達状況を確認できればよい」 と考え、 特定記録を使いました。

私が実際に受け取った特定記録の受領証 私が利用したときは、 郵便局窓口でもらった受領証に、 封筒へ書いた 宛先と差出人の住所・氏名を読み取った画像 が掲載されていました。 そのため、 「誰から誰宛てに、いつ発送した郵便なのか」を 後から確認する控えとしても使っていました。

日本郵便の現在の案内でも、 特定記録は 郵便物の引受けを記録し、 差出人へ受領証を交付するサービスです。

インターネットで配達状況を確認できますが、 配達は郵便受箱へ行われ、 受取人から署名や押印をもらう方式ではありません。

「本人が直接受け取った証明」とは別です 特定記録、 一般書留、 配達証明、 内容証明では 記録される内容が異なります。 法的な証拠として より強い方法が必要なケースでは、 状況に応じた郵送方法を確認してください。

高齢の所有者で、自分では剪定できない事例もありました

所有者へ連絡できたケースでは、 多くの場合は 草刈りや剪定をしてもらうことができ、 大きな問題にはなりませんでした。

一方で、 実際に 所有者が高齢で自分では剪定できず、 業者へ依頼する費用を捻出することも難しい という事例もありました。

そのケースでは、 所有者と話し、 越境している部分について こちらで剪定してよいという了承を得たうえで 対応したことがあります。

土地全体を勝手に整備したのではなく、 どの範囲を切ってよいのかを確認し、 問題となっている越境部分だけ を剪定しました。

所有者の了承を得たケースと、民法233条に基づく対応は分けて考える 筆者が実際にこちらで剪定した事例には、 所有者と連絡がつき、 越境部分を切ることについて了承を得たケースがあります。 所有者の了承がない状態で自ら枝を切る場合は、 民法233条の条件を別途確認する必要があります。

越境した枝は民法233条も確認する

隣地の竹木の枝が境界を越えている場合は、 まず竹木の所有者へ 枝を切るよう求めることが基本です。

現在の民法233条では、 一定の場合に、 越境された土地の所有者が 越境した枝を自ら切り取ることができます。

  • 竹木の所有者へ切除を催告したものの、 相当の期間内に切除されない場合
  • 竹木の所有者またはその所在を知ることができない場合
  • 急迫の事情がある場合
「枝がこちらへ出ている=すぐ切れる」ではありません 誰の土地から越境しているのか、 誰が竹木を所有しているのか、 催告を行ったのか、 緊急性があるのかなど、 実際の条件を確認する必要があります。

法務省の説明では、 法律上の条件を満たして 越境された土地の所有者が自ら枝を切り取った場合、 その費用については 基本的には竹木所有者へ請求できると考えられるとされています。

私自身が対応したケースでは、 大きな費用がかからなかったこともあり、 所有者へ剪定費用の請求まではしませんでした。

切った草や枝の処分方法も自治体によって違う

私が対応した地域では、 草や剪定した植栽を 燃やせるごみとして出せるケースがありました。

そのため、 自分たちで対応したケースでは 大きな処分費用が発生せず、 主にかかったのは作業の手間でした。

ただし、 草や枝の分別、 長さや太さ、 一度に出せる量、 ごみ集積所へ出せるか、 清掃施設への持込みが必要かなどは 自治体によって異なります。

剪定前にごみの出し方も確認する 大量に切ったあとで処分方法に困らないよう、 作業前に所在地の自治体が定める 草木・剪定枝の出し方を確認しておくと安心です。

所有者への通知文を3段階で作る

所有者へ郵送する場合は、 いきなり強い文面を送るのではなく、 状況に応じて段階を分ける方が整理しやすくなります。

下のメーカーでは、 筆者が実際に行っていた流れをもとに、 初回のお願い・再通知・剪定後の報告 の3種類を作成できます。

空き家・空き地 3段階通知文メーカー 発送日・期限・実施日まで入れて、コピー・Word保存・印刷できます
内容を入力
初回通知では、発送日から約2週間後を目安として入力できます。
氏名・住所等を入力するため、 このツールでは入力内容をブラウザへ保存しません。
通知文プレビュー

空き家の管理は原則として所有者・管理者が行う

空家等対策の推進に関する特別措置法では、 空家等の所有者・管理者が、 周辺の生活環境に悪影響を及ぼさないよう 適切な管理に努めることとされています。

自治会が管理責任そのものを引き受けるのではなく、 現状を整理し、 所有者への連絡や 自治体の窓口へつなぐことが基本になります。

空き地の雑草は自治体によって対応が違う

建物のない空き地の雑草については、 全国一律ですべて同じ制度になっているわけではありません。

自治体によっては 空き地の適正管理に関する条例や 所有者への指導制度を設けている場合があります。

道路へ枝が伸びている場合は道路管理者への相談も

同じ越境でも、 個人の隣地へ伸びている場合と、 道路や歩道へ伸びている場合では 対応先が異なります。

枝が歩行者へ当たる、 車へ接触する、 標識やカーブミラーを隠しているなど、 道路上の危険につながっている場合は 道路管理者等への相談も検討します。

害虫・動物が発生している場合

雑草や放置された建物の周辺で、 害虫や動物について相談が寄せられることがあります。

自治体によって 空き家担当、 生活衛生担当、 環境担当など 窓口が異なります。

自治会だけで駆除業者を手配する前に、 土地所有者や所在地の自治体へ状況を伝えます。

ごみ・不法投棄がある場合

空き家や空き地へごみが捨てられている場合は、 単なる草木の管理とは別の問題です。

土地所有者への管理依頼に加え、 自治体の廃棄物・環境担当等へ 相談する必要がある場合があります。

建物や塀が危険な場合

屋根材、 外壁、 塀などが崩れたり、 道路側へ倒れるおそれがある場合は、 雑草や植栽とは分けて考えます。

危険が差し迫っている場合は、 自治会内だけで処理せず、 所在地の自治体など 適切な窓口へ速やかに相談してください。

自治会で抱え込まないことが大切

自治会は、 住民から相談を受け、 現状を整理し、 所有者への連絡や 適切な相談先へつなぐことはできます。

しかし、 他人の土地の管理責任まで 自治会が引き受ける必要はありません。

特に、 所有者が亡くなっている、 登記上の住所へ郵送しても戻ってくる、 相続関係が分からない、 建物倒壊や火災のおそれがあるなど、 問題が複雑になった場合は 所在地の自治体や必要に応じて専門家へ相談します。

このページで一番伝えたいこと

空き家・空き地の草や植栽がこちらまで越境していても、 「誰の土地か分からないから何もできない」 とは限りません。

私自身、 近隣への聞き込みだけでは所有者が分からなかった土地について、 法務局で公図を確認し、 地番から登記を取得して 所有者へ連絡するところまで進めました。

所有者へ連絡がつけば、 多くの場合は剪定や管理をしてもらえました。

一方、 高齢などの事情で 所有者自身では管理できない場合もあります。

その場合も、 いきなり勝手に切るのではなく、 現場を記録する → 所有者を確認する → お願いする → 返事がなければ再通知する → 実際に対応した場合は作業後も報告する という流れにしておくと、 後から経緯を確認しやすくなります。

関連するページ

この記事の確認方針・参考情報

このページには、 筆者が実際に空き地の所有者を法務局で確認し、 所有者への連絡、 特定記録郵便による通知、 越境植栽への対応を行った経験を含めています。

法律・登記・郵便制度に関する部分については、 現在の公的情報を確認し、 実体験と制度上の説明を分けて記載しています。

参考:
法務省「越境した竹木の枝の切取り」
法務局「登記事項証明書・地図等証明書」
日本郵便「特定記録」
国土交通省「空家等対策の推進に関する特別措置法関連情報」