会長・書記・班長・名簿担当向け
「班長の電話番号を全戸へ配っていい?」 「会長の住所を回覧板に載せても大丈夫?」 「ホームページに役員一覧を載せたい」
自治会では、 住民が役員へ連絡できるよう 氏名や連絡先を知らせる場面があります。
しかし、 役員になったからといって、個人の電話番号や住所を無制限に公開してよいわけではありません。
役員の氏名・電話番号も個人情報?
はい。
個人情報保護委員会は、 氏名だけであっても、 社会通念上、特定の個人を識別できるため 個人情報に当たり得ると説明しています。
自治会が、 氏名と一緒に、
- 住所
- 電話番号
- 役職
- メールアドレス
などを管理している場合、 それらも個人情報として適切に扱う必要があります。
役員名簿に何を載せる?
必要な項目は、 その名簿を何に使うかで変わります。
公開範囲によって慎重さを変える
会長の電話番号を全会員へ配ってもいい?
一律に 「必ず載せてよい」 とは言えません。
まず、 会長へ直接電話できる必要があるのかを確認します。
たとえば、
- 班長経由で連絡する
- 自治会専用電話を使う
- 自治会専用メールを作る
- 問い合わせフォームを使う
- 役員共有の連絡先を設ける
など、 個人の電話番号を全戸配布しなくても連絡手段を作れる場合があります。
住所まで載せる必要はある?
会長や班長の自宅を訪問する必要がある自治会もありますが、 住所を全会員へ配布する必要性は慎重に確認します。
氏名と電話番号だけで目的を達成できるなら、 住所まで追加しないという考え方があります。
- 役職
- 氏名
- 自治会用連絡先
- 自宅住所
- 個人携帯番号
- 個人メール
- 家族情報
個人情報保護委員会も、 取り扱う個人情報が増えるほど漏えい等のリスクが高まるとして、 利用目的を達成するために必要な情報を確認するよう案内しています。
本人の同意はいつ確認する?
役員就任時など、 情報を集める段階で整理しておくとスムーズです。
役員就任時の確認文はどう書く?
役員連絡先の取扱いについて
役員間の連絡および自治会員から担当役員への連絡のため、 役職・氏名・連絡先を利用します。
会員へ配布する役員一覧には、 役職・氏名・連絡先を掲載する予定です。
掲載を希望しない項目がある場合は、 役員名簿作成前までに会長または書記へお知らせください。
同意しない役員の電話番号はどうする?
「役員だから必ず公開してください」 と自動的に考えず、 その電話番号を公開しなくても運営できないか検討します。
個人情報保護委員会は、 名簿の第三者提供について同意が得られなかった項目を マスキングして配布する方法を例示しています。
たとえば、
- 会長 ○○○○ 電話番号掲載
- 会計 △△△△ 連絡は会長経由
- 班長 □□□□ 電話番号非掲載
のように、 必要性や本人意思に合わせて扱いを変えることも考えられます。
掲示板へ電話番号を貼ってもいい?
自治会掲示板は、 会員だけが見るとは限りません。
道路沿いや公園などにある掲示板では、 地域外の人も閲覧できます。
そのため、 個人の携帯電話番号を掲示する前に、
- 本当に電話番号が必要か
- 自治会専用の連絡先にできないか
- 掲示期間を限定できないか
- 氏名だけで目的を達成できないか
を確認します。
ホームページにはさらに注意する
ホームページや公開SNSは、 紙の回覧とは公開範囲が大きく異なります。
個人の携帯番号、 自宅住所、 個人メールアドレスなどを掲載する前に、 自治会専用連絡先へ置き換えられないか検討します。
神戸市でも、 通常の自治会については、 市が広報物送付目的で取得した代表者個人情報を 別目的で公開できないため、 代表者氏名や連絡先を外部へ提供していません。
一方、 認可地縁団体では、 法律上告示される代表者氏名・住所について扱いが異なります。 ただし電話番号やメールアドレスまで同様に公開されるわけではありません。
認可地縁団体の代表者は扱いが違う?
認可地縁団体は、 地方自治法に基づいて市区町村長の認可を受けた団体です。
神戸市の現在の案内では、 認可地縁団体については、 法律上の告示事項である 代表者氏名・住所 は情報提供可能とされています。
一方で、 電話番号・メールアドレスは提供対象ではありません。
退任した役員の情報はそのままでいい?
役員が交代したら、 旧役員の個人情報が残っている場所を確認します。
- 役員名簿
- 自治会ホームページ
- SNSプロフィール
- 掲示板
- 回覧用データ
- 共有ファイル
- スマートフォンの連絡網
などです。
現在の運営に不要になった情報は、 保存目的・必要期間を確認したうえで整理します。
役員名簿を紛失したら?
氏名・住所・電話番号が記載された役員名簿を紛失すると、 個人情報の漏えいにつながる可能性があります。
個人情報保護委員会も、 自治会名簿について 紛失・転売をしないよう注意喚起し、 漏えいを防ぐための安全管理が必要としています。
紛失した場合は、
- 何を紛失したか確認
- 記載されていた情報を確認
- 会長など責任者へ共有
- 発見できないか確認
- 必要に応じて本人への連絡や対応を検討
- 今後の配布・保管方法を見直す
という流れで整理します。
こんな運用は見直したい
役員連絡先の公開チェックリスト
よくある質問
自治会役員の名前は本人の同意なしで回覧していいですか?
氏名も個人情報です。 役員名簿・回覧などでどのように利用するのかを事前に整理し、本人へ利用目的を伝えます。 会員への配布など第三者提供に当たる場合は、本人同意の要否を個人情報保護法のルールに沿って確認してください。
会長の携帯電話番号は全世帯へ配らないといけませんか?
全国一律にそのような義務があるわけではありません。 班長経由、自治会専用メール、専用電話など別の連絡方法で目的を達成できないか検討できます。
役員になった人は電話番号公開を拒否できないのでしょうか?
役員就任と個人電話番号の無制限な公開は別に考えます。 何のために誰へ知らせる必要があるのか確認し、公開しない場合の代替連絡方法も検討してください。
自治会掲示板に会長の電話番号を載せてもいいですか?
掲示板は会員以外も見る可能性があります。 個人携帯番号を公開する必要があるか、自治会専用連絡先へ変更できないかを確認し、本人への説明・同意を含めて慎重に判断してください。
自治会ホームページに役員一覧を載せてもいいですか?
役職・氏名だけにする、個人の電話番号・住所は載せない、自治会専用問い合わせ先を使うなどの方法があります。 ホームページは不特定多数が閲覧できるため、紙の役員名簿より慎重な運用が必要です。
退任した会長の電話番号はいつ削除しますか?
現在の連絡先として不要になった時点で、利用目的・保存の必要性を確認し、役員名簿、Webサイト、共有データなどを更新します。 引き継ぎ時に削除・更新確認を組み込むと忘れにくくなります。
まとめ
自治会役員の氏名・住所・電話番号を扱うときは、 「役員だから全部公開してよい」 とは考えないこと が大切です。
基本は、
- 利用目的を決める
- 本人へ伝える
- 誰へ見せるか決める
- 必要最小限の情報にする
- 名簿配布などでは同意の扱いを確認する
- 公開範囲が広いほど慎重にする
- 役員交代時に更新する
- 不要な情報は安全に削除・廃棄する
という流れです。
特に、 個人の電話番号や自宅住所を公開しなくても自治会運営できる方法がないか を一度検討してください。
個人情報保護委員会が公開している 自治会・同窓会等向け名簿作成資料、 自治体が公開している自治会・町内会向け個人情報取扱資料を確認して構成しています。
情報の利用目的、 配布範囲、 本人同意の要否、 保存方法などは、 実際の利用方法によって判断が変わります。 自治会内で個人情報取扱ルールを整え、 必要以上の情報を公開しない運用を行ってください。