会長・副会長・班長・役員向け
自治会の役員をしていると、 住民から不満や苦情を受けることがあります。
苦情そのものには確認すべき内容があっても、 大声で怒鳴る、 人格を否定する、 同じ要求を長時間繰り返す、 自宅へ何度も来るなど、 苦情の内容と対応方法を分けて考える必要があります。
自治会役員だからといって、 すべての言動を一人で受け続けることを前提にしないようにします。
対応レベルを整理する- 苦情の内容と、相手の言動を分けて考える。
- その場で答えられないことを即答しない。
- 強い苦情は一人で対応しない。
- 日時・相手・内容・要求・発言・対応を記録する。
- 同じ要求が続く場合は、回答済みであることを整理する。
- 暴言や威圧が続く場合は、会話を終了する基準を決めておく。
- 自宅へ繰り返し来るなど、役員個人の生活へ入り込ませない。
- 危険を感じる場合は距離を取る。
- 緊急の事件・事故は110、緊急ではない警察相談は#9110等を利用する。
- 自治会内部でも記録と対応方針を共有する。
まず「苦情」と「暴言」を一緒にしない
強い口調で言われたからといって、 苦情内容そのものまで無視してよいとは限りません。
逆に、 正当な要望が含まれているからといって、 役員が暴言や威圧的な言動まで受け続ける必要があるとも限りません。
最初は苦情の内容だけ確認する
相手が興奮していても、 最初から言い争うのではなく、
- 何が起きたのか
- いつ起きたのか
- どこで起きたのか
- 自治会へ何を求めているのか
を確認します。
分からないことについては、 その場で無理に回答しません。
大声になったら「内容確認」と「言動」を分ける
要求内容について確認を続ける場合でも、 怒鳴ることまで受け入れる必要はありません。
強い苦情は一人で対応しない
住民から強い要求を受けている場合、 担当役員一人だけで何度も対応すると、
- 言った・言わないになる
- 役員個人への要求になる
- 対応内容が自治会内で共有されない
- 担当者だけが精神的に消耗する
といった問題が起こりやすくなります。
可能なら、 会長・副会長など別の役員と情報を共有し、 複数で対応します。
記録する内容
感情的な表現ではなく、 事実を後から確認できる形で残します。
- 日時
- 対応方法
- 相手
- 対応した役員
- 相手が訴えている内容
- 要求されたこと
- 主な発言
- こちらが回答した内容
- 次に何をすることになったか
「ひどい人だった」 ではなく、 実際の発言・行動を具体的に残す方が確認しやすくなります。
同じ要求が何度も続くとき
すでに説明した内容について、 同じ質問や要求が何度も繰り返される場合があります。
その場合は、
- 過去に何を聞かれたか確認する
- 何を回答したか確認する
- 新しい事実があるか確認する
- 新しい内容がなければ回答済みであることを伝える
という順番で整理します。
対応を打ち切る基準を役員間で決める
その場になってから判断するより、 あらかじめ、
- 暴言が続く
- 大声をやめない
- 同じ要求を長時間繰り返す
- 役員個人への侮辱が続く
- 退去を求めても居座る
- 危険を感じる言動がある
場合にどうするか決めておくと、 担当者だけに判断を押し付けずに済みます。
内容を確認した上で、 言動・継続時間・安全性などを総合して判断します。
電話を終わらせてもよい場面
説明をしても暴言や威圧が続く場合は、 終話することを事前に伝えます。
その後、 日時・内容・終了理由を記録します。
自宅へ来られた場合
自治会役員だからといって、 役員個人の自宅で住民対応を続ける必要があるとは限りません。
自治会で対応場所を決められる場合は、 役員個人宅ではなく、 複数名で対応できる場所へ切り替えます。
警察へ相談する目安
警察庁は、 事件・事故に関する緊急通報は 110番、 生活の安全に関わる悩みや困りごとなど、 緊急ではない相談は #9110 または最寄りの警察署を案内しています。
「犯罪に当たるか分からないから相談してはいけない」 と決めつけず、 安全上の不安がある場合は相談先を確認します。
録音・録画はどうする?
厚生労働省の事業者向けカスタマーハラスメント対策資料では、 対応記録の作成や、 状況に応じた録音・録画等も対策例として挙げられています。
ただし、 これは自治会へそのまま適用される一律のルールという意味ではありません。
録音・録画を使う場合は、 必要性、保管方法、個人情報の取扱いなどを確認してください。
役員同士で共有する
担当役員一人だけが、
- 何度も電話を受けている
- 自宅へ来られている
- 暴言を受けている
状態を放置しないようにします。
共有するときは、 相手への悪口ではなく、 事実と対応履歴を共有します。
現在の状況を選ぶと、 「通常対応」「複数対応」「対応終了・外部相談」の目安と、 次に行うことを自動整理します。
苦情内容そのものは別の記事で整理する
今回の記事は、 「住民の苦情が正しいか」を判定する記事ではありません。
苦情の内容に応じて、 別途事実確認をします。
まとめ
- 苦情の内容を確認する
- その場で無理に判断しない
- 暴言・威圧と苦情内容を分ける
- 強い対応は複数名へ切り替える
- 日時・発言・回答を記録する
- 回答済みの要求は整理する
- 暴言が続く場合は終了を伝える
- 役員個人宅・個人携帯へ集中させない
- 危険なら安全確保を優先する
- 必要なら警察等の外部相談へつなぐ
役員側で最も重要なのは、 「住民の話を聞くこと」と 「暴言や威圧を無制限に受け続けること」を同じにしないこと です。
警察庁の警察相談案内、 厚生労働省が公開するカスタマーハラスメント対策資料などを確認し、 自治会・町内会の役員が住民対応を整理するときに参考になる考え方をまとめています。
厚生労働省の企業・職員向け資料は、 自治会役員へそのまま適用される全国共通の自治会ルールとして掲載しているものではありません。 実際には自治会の規約・運営方法、個別の状況、安全上の必要性を確認してください。